はじめての卵子提供ガイド

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台湾

台湾の卵子提供事情

卵子提供 台湾

台湾は2007年に生殖医療に関する法律が制定され、日本では卵子提供の対象にならない「加齢による不妊」でも卵子の提供を受けることが可能となりました。

国策として卵子提供施術を進めていることもあり、近年は日本をはじめ、中国やアメリカ、フィリピンなど海外諸国からの渡航者が増加しています。

実際2018年に台湾の「衛星福利部」(日本の厚生労働省に相当)の発表によると、2016年の人工授精の治療週期数は34,486週期で、このうち卵子の提供を受けたケースの治療週期数は2,146週期にも及んだそうです。

前年度の総治療週期数は29,720週期、うち卵子の提供を受けたのは1,274週期だったため、その数が急増していることがわかります。[注1]

そのうち日本人女性が占める割合は決して多くはありませんが、日本人スタッフが常駐している宏孕(ホンジ)生殖医学センターの統計によると、当該医院で卵子提供を受けた日本人女性患者は2014年ではたった8例だったのが、2017年には181例に増え、2018年では6月時点ですでに51例にも達しているそうです。

こちらの医院では2014年1月~2018年8月までに卵子提供を受けた患者の総数が637人であるのに対し、日本人患者はなんと481人と75%を超えており、台湾で卵子提供を受ける日本人女性が急増しています。[注2]

[注1]衛生福利部國民健康署:人工生殖施行結果報告

[注2]セントマザー産婦人科医院:不妊症の治療方法

台湾で卵子提供を受ける際の注意点

公的に進めているため卵子提供エージェントを通すのではなく、台湾のクリニックが日本向けに直接プログラムを斡旋しています。それにより卵子提供費用が格段に安くなっているのです。
「台北宏孕ARTクリニック」が有名ですが、卵子提供施術を受けた日本人夫婦に全く似ていない赤ちゃんが生まれて大きな問題となりました。卵子提供が盛んなハワイ、カリフォルニア、マレーシアなどでは、卵子ドナーを選ぶ際に写真や情報を見ながら慎重に一人を選びます。大体の夫婦は生まれてくる赤ちゃんが自分たちに似るよう、日本人の卵子ドナーから奥さんに似ている人を探します。全く似ていない日本人や外国人を卵子ドナーにしてしまうと、当然赤ちゃんの容姿にも大きな影響がありますよね。

そのため卵子ドナーの容姿は非常に重要な判断材料です。しかし台北宏孕ARTクリニックでは、患者さんは卵子ドナーの写真が見られません。クリニック側で勝手に卵子ドナーを決めてしまいます。しかも日本人の患者さんには台湾人の卵子が提供されることが大半のようです。せっかく子供を授かっても、自分たちに全く似ておらず台湾人の顔をしていたらどうでしょう。日本人と台湾人の顔立ちは似ているとはいえ、違和感はありますよね。「私たちの子供だ!」と自信を持って育てられますか?正直難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。

費用が安いというのは大きな魅力ではあるものの、それに惑わされて安易に決断すると将来後悔する可能性が高いです。またエージェントが間に入っていないため、現地での通訳や送迎などのサポートがほとんどないというデメリットもあります。このようなリスクを背負ってまで台湾で卵子提供を行うより、卵子ドナーを自分たちで選べて現地でもしっかりサポートしてもらえる卵子提供エージェントを選択するほうが安全策です。

台湾での卵子提供治療にかかる費用

台湾で卵子提供治療を受ける場合にかかる費用は施設によって異なりますが、以下ではだいたいの相場と治療費の内訳をまとめてみました。

海外サービス料金 約28~29万円
卵子提供 約150~170万円
胚移植 約18~21万円
合計 約196~220万円

卵子提供についてはドナーの注射剤や採卵、ICSI、受精、胚の培養および凍結保存、ドナー検査費、栄養費などが含まれます。

近年は台湾での卵子提供数が増えているせいか、治療費も年々上昇傾向にあるようですが、それでもアメリカやタイなどに比べて治療費が割安なのは政府がバックアップしているためでしょう。

台湾で治療を受けるには

台湾で卵子提供治療を受けるためにはいろいろと事前準備が必要ですが、まずは病院が主催している説明会に参加するのがおすすめです。

説明会では卵子提供治療の流れや内容、費用のことなどをくわしく教えてもらえるので、予算や今後の計画などを立てるためにもぜひ参加しましょう。

また、海外で治療を受けるのなら卵子提供を仲介してくれるエージェントを利用するのが一般的。

エージェントの善し悪しによって治療成功の確率がアップしますので、信頼と実績のあるエージェントを選ぶことが大切です。

中にはエージェントの仲介を必要としない病院もありますので、エージェント選びに不安のある方は病院側に問い合わせてみることをおすすめします。

エージェント一覧で比較検討してみる

台湾対応の卵子提供エージェント一覧

メディブリッジ

メディブリッジのオフィスは東京にあり、台湾やハワイ、マレーシアなどの医療機関と連携して卵子提供を行っています。すべてのスタッフが不妊カウンセラー教育を受けており、充実したサポートを提供できるのが強み。また、日本オフィスでは直接カウンセリングやドナーファイルの閲覧が可能です。
2021年に創業14年目を迎えたメディブリッジですが、豊富な症例数や経験を活かし、不妊に悩む方を丁寧にサポートしています。

メディブリッジを見る

台湾で卵子提供が行えるクリニック

宏孕(ホンジ)生殖医学センター

2012年3月台湾で設立され、台湾において初めてマイルド法による体外受精(IVF)を行った人工生殖センターです。治療後のケアまで日本人スタッフがサポートしてくれるため安心して治療に専念できそうです。

電話番号:+886-2-2392-1920

宏孕(ホンジ)生殖医学センターを見る

送子鳥(コウノトリ)生殖医療センター

卵子提供実績をもち、提供可能なドナーを多数用意しています。治療中は合計2回の渡台が必要ですが、ホルモン検査などの関連検査は日本で受けることも可能。マッチング期間は2~3ヵ月を目安としています。海外で治療を受ける患者さんを不安にさせないため、丁寧な対応を心がけています。

電話番号:+886-2-2532-3357

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台湾は日本人が過ごしやすい国

台湾へ渡航しようとしている方に向けて、台湾の事情についてご紹介します。

親日である台湾では、日本からの旅行者を受け入れるさまざまな体制が整っています。食事も美味しく気候も暖かいので、非常に過ごしやすい国だと言えるでしょう。

地理・気候について

台湾は日本の南西にあり、日本の羽田空港からだと直行便で約4時間のフライトで到着します。首都は北部にある台北市、その他に台湾で最大の人口を誇る新北市や中部の台中市、南部の台南市、高雄市などが主要都市となります。なお、日本との時差はマイナス1時間となっています。

台湾は日本よりも南に位置することから、日本よりも温暖で、主要な都市部では年間を通して10度を下回ることはほぼありません。


治安・言語・物価について

台湾は日本からの旅行者が多く、都市部では日本語の通じるお店や日本語のメニューがあるお店もあります。治安に関しても比較的よく、親子や女性だけの旅行者も多くなっています。親日の人も多いので、安心して過ごすことができるでしょう。ただしもちろん、裏通りなどには注意が必要なところもあります。また、流しのタクシーなどもあまり乗らない方がいいでしょう。

また、現地でインターネットを使いたいということであれば、街中に無料でWi-Fiに接続できる「iTaiwan」というネットワークが飛んでいます。ホームページから申請することで、簡単にネットにつなげるようになっているのは非常にありがたいポイントだと言えるでしょう。

物価については、食事や交通費などは日本より安価、高くても同等程度となっています。

交通環境について

台北市で言えば、国際空港である桃園空港からは台北市の中心部までモノレールが通っており、1本で街の中心地まで行けます。また、地下鉄も複数通っているので、観光地など主要な場所に行くには不自由しないでしょう。タクシーも各所に走っていますが、きちんと会社が分かるものに乗るようにしてください。

食事について

台湾は食事が美味しいことでも有名です。小籠包などの他、台湾の国民食と言われる魯肉飯(ルーロウファン)という煮込み豚肉かけ飯も安くて美味しいとして、日本人の間でも有名です。都市部では日本で馴染みのあるチェーン店も出店しているので、不安であれば、そうしたお店を利用してもいいかもしれません。

マッサージ

台湾では至るところでマッサージ店を見かけます。働いている人のスキルによりますが、腕のある施術者が多いので、満足のいくマッサージを受けられるでしょう。足裏マッサージなどがおすすめですね。

はじめての卵子提供ガイド

40歳以上、早期閉経、ターナー症候群など、排卵の不順が原因で悩む方のための新しい不妊治療「卵子提供」。今や年間300人以上の赤ちゃんが、卵子提供によって誕生しています。そんな卵子提供について、日本が置かれている現状や、海外で移植を受けるために知っておくべきこと、また提供を受けた方、ドナーとなった方それぞれの体験談をリサーチした結果を掲載。卵子提供を望むご夫婦の強い味方となってくれる、国内のエージェントの一覧も掲載しておりますので、参考にしていただければ幸いです。

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