はじめての卵子提供ガイド

公開日: |更新日:

ヨーロッパ

ヨーロッパの卵子提供事情

ヨーロッパも卵子提供に関して非常に発展したエリアです。しかし距離的に日本から遠く、渡航費も高くなってしまうため斡旋している卵子提供エージェントはほとんどありません。アメリカやアジアに比べて情報自体が少なく、ヨーロッパでの卵子提供を検討している人にとっては判断が難しいところなのではないでしょうか。

同じヨーロッパの中でもキリスト教圏では、倫理的観点から卵子提供がNGとされています。しかしながら世界的に見てもキリスト教の重要国家であるイギリスでは、卵子提供は一般的に行われています。ヨーロッパだから出来る・出来ないと一概に判断することは難しいので、卵子提供をヨーロッパでしたいという人は可能な国をしっかり選びましょう。ヨーロッパで卵子提供の実績が豊富で有名なのは、ベルギーとスペインです。スペインは法律で生殖補助医療そのものの整備・保護がきちんと行われており、医療技術のレベルの高さや卵子提供者がアジア人になる可能性も高いため選ぶ人が多いようです。ただし日本人はおろかアジア人という括りで見ても卵子ドナーはかなり少ないという情報もあり、ハーフの子供になる覚悟はしておいたほうがいいでしょう。寛容な国民性のためか生殖医療に関する規制もほとんどなく、ヨーロッパ最大の卵子大国とも呼ばれています。

ヨーロッパで卵子提供が行えるクリニック・エージェント

EUGINクリニック

ヨーロッパのなかでも高い妊娠率を誇るEUGINクリニック。バルセロナにある生殖補助医療専門クリニックであり、総勢約250名のスタッフがサポートを実施。これまでに5,000名以上の治療実績をもっています。
なお、外国からの患者さんも多いため、日本語対応できるスタッフも在籍。治療中は2度の日帰り来院が必要です。

※スタッフ数と実績数は2022年8月時点の調査をもとに記載しています。

電話番号:+34 900-180-181

※参考元:EUGINクリニック (http://www.eugin.net/jp/welcome.htm)

NatuVitro

バルセロナで低卵巣予備能の患者さん向けの治療を行っている生殖補助医療クリニックです。低刺激体外受精を行っており、患者さん一人ひとりの身体のリズムに合わせた治療を実施。すべての費用が記載された治療パッケージを用意しており、治療費をわかりやすくしています。
クリニックは日本語に対応しているうえ、血液検査やエコーなどのオンラインでは難しい検査を日本で済ませられるようコーディネイトしています。

電話番号:+34 936-555-888

IVFinPRAGUE

プラハにある不妊治療クリニックであり、アンドロロジー研究所とドナー調整センターを備えています。卵子提供は2003年から開始しており、ドナーデータベースには2,000人以上(2022年8月調査時点)の登録があります。
クリニックでは経験豊富な医師や看護師があたたかい対応を心がけており、治療のための旅行がストレスにならないようサポート。宿泊施設や空港からのピックアップなど、リラックスして治療に専念できる環境を整えています。

電話番号:+420 771-157-173

※参考元:IVFinPRAGUE (https://www.ivfinprague.com/)

スペインでの卵子提供

スペインの卵子提供者は18歳~35歳までで、健康診断や婦人科検診、染色体の異常を調べる検査を実施した上で卵子ドナーになっています。卵子ドナーは完全匿名で実施するよう法律で義務づけられているため、誰にするかはクリニック側で選びます。患者さんの顔立ちや体型、髪・目・肌の色など身体的特徴が最優先に判断されるようです。患者さんは卵子提供者の年齢と血液型のみ知ることができます。

スペインでの治療であれば、費用は治療費と薬剤費合わせて100万円程度とのことです。ただし斡旋しているエージェントがいないため、自分でコーディネートから通訳まで準備する必要があります。どうしてもヨーロッパにこだわりたいという気持ちがないのであれば、エージェントを経由してアメリカやアジアで卵子提供を受けたほうが無難と言えるでしょう。

エージェント一覧で比較検討してみる

スペインはこんな国

南ヨーロッパに位置するスペインは、マドリードやバルセロナなどの大都市が栄え、世界中から多くの人々が移住してきている国です。人々が集まるのには、当然ながら理由があります。スペインが愛される理由について、さまざまな観点から紹介していきます。

気候が穏やか

スペインはヨーロッパの中でも南に位置する国で、ジブラルタル海峡を挟んでアフリカのモロッコと面しています。そのため比較的温暖で、特に地中海に面している都市は一年中暖かく、それでいて夏も湿度が低いため、蒸し暑さは感じません。特に、バレンシアやアリカンテといった都市は日本に比べて年間の降水量が少ないため、冬は暖かく夏は涼しいという過ごしやすい気候となっています。

食べ物がおいしい

スペインはヨーロッパの中でも食文化が栄えており、イタリアと並んで食べ物がおいしい国として知られています。代表的な料理であるパエリア、アヒージョ、スペインオムレツ、生ハムなどは、日本でも食べたことのある方が多いのではないでしょうか。特に野菜や果物に関しては日本の1/3程度の値段で購入できるので、食費に関してもある程度抑えることができるでしょう。また、市場は人々にとって社交の場ともなっているので、地域に溶け込む機会を与えてくれます。

医療費が無料

スペインは、医療費が無料の国となっています。これは医療費が税金でまかなわれているためで、税金は日本と比べて比較的高めとなっています。いざというときに、無料で医師の診察が受けられるのはありがたい点です。ただ、無料の診療は長時間待たされることもざらにあるので、注意が必要です。

自然災害が少ない

スペインは日本と比べ、自然災害がとても少ない国です。日本では毎年のように台風の被害があったり、地震もひんぱんに起こったりしますが、スペインでは基本的に、そうした災害におびえず暮らすことができます。

親日家が多い

スペインの人々は非常に明るく情熱的で、親切な人がたくさんいます。また親日国とも知られ、日本食レストランや日本のアニメに接する機会も多数あります。スペインには400年以上前から日本人が移住してきており、そうしたことも背景にあるようです。

ベルギーでの卵子提供

ベルギーはヨーロッパのなかでも卵子提供の実績が豊富だといわれています。卵子提供の自由度が高く、匿名での卵子提供はもちろん、姉妹や友人などからの卵子提供も可能。また、独身女性や同性カップル、独身カップルへの卵子提供も認められています。ただし、ベルギーで卵子提供を受けられる人は47歳未満までの女性であり、申し込みは45歳までのため注意しましょう。

なお、ベルギーでは姉妹や友人からの卵子提供が多いため、ドナーとレシピエント双方の同意があれば非匿名での提供も可能な動きになりつつあるそう。

ベルギーには卵子提供に対応するクリニックがいくつかありますが、大きなクリニックではベルギー国籍者のみを対象としていることが多いよう。ただしプライベートなクリニックでは外国人も受け入れているようですので、ベルギーでの卵子提供を検討している場合は外国人対応が可能なクリニックを探しましょう。

ベルギーはこんな国

食べ物がおいしい国として有名

ベルギーといえば、ビールやチョコレート、ワッフルなど、食べ物が有名です。
とくにチョコレートは日本に出店していないショコラティエのお店がたくさんあり、現地で作り立てのベルギーチョコレートを味わえます。バターを贅沢に使った本場のワッフルもおすすめ。ビールやスイーツを味わうためにベルギーを訪れる人は多くいるでしょう。

四季があり、日本よりもやや涼しい

ベルギーにも四季があります。比較的穏やかな気候ですが、東京に比べると気温は年間を通してやや低め。朝夕が冷えることも多いため、薄めの上着などで調整する必要があります。
また、ヨーロッパにあるベルギーは雨の日が多いのも特徴。ただし、1日中降ることは珍しいようです。秋頃には曇りや霧雨の日が増えるでしょう。

他国へアクセスしやすい

ベルギーは「ヨーロッパの十字路」といわれるほど他国へのアクセスに優れています。
ベルギーの国境にはフランスやオランダ、ドイツ、ルクセンブルグが面しているうえ、イギリスやスペイン、イタリアへのアクセスも簡単。そのため、ヨーロッパを旅行する際にベルギーを予定する観光客は多いようです。

イギリスでの卵子提供

イギリスでも卵子提供は行われています。ただ、同じヨーロッパであるスペインやベルギーが匿名での卵子提供を行っているのに対し、イギリスでは情報開示に同意したドナーだけが卵子提供を行えます。
以前のイギリスでは匿名での卵子提供を行っていました。しかし子どもの「出自を知る権利」を認めるようになり、18歳以上の子どもであればドナーの氏名や生年月日、出生地など、ドナーを特定できる情報を得られます。このように、イギリスでは卵子提供などの生殖補助医療に関する法整備が進められています。

なお、イギリスで卵子提供を受けられる年齢等の詳細は見つかりませんでした。

イギリスはこんな国

マナーを重視する国

ヨーロッパに浮かぶ島国として知られているイギリス。首都をロンドンに置き、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの4つの地域で成り立っています。それぞれの地域がもつ歴史によって個性や文化が異なりますが、イギリス人はマナーを重視しており、混雑しているところであっても人と体がぶつかることを嫌います。また、文化や芸術を好む傾向があるようです。
治安は比較的良い方ですが、地下鉄など移動時は気をつけましょう。

紅茶が有名

イギリスと言えば紅茶やスコーン、アフタヌーンティーなどが有名ですよね。イギリスに足を運んだ際には本場の味をぜひ味わいたいものです。

一方、食事については全体的に素材の味を活かす味付けがほとんど。イギリスの代表的な料理ではフィッシュ・アンド・チップスやローストビーフなどが挙げられますが、味付けが薄いため、テーブルにセッティングされた塩胡椒やお酢を各自かけて食べるのが普通なのだとか。

雨が多く肌寒い気候

イギリスでは年間を通して霧のような雨が降ります。とくに冬は霧が発生しやすく、日照時間も短め。日本よりも肌寒く感じるでしょう。朝晩は冷え込むことが多いため、いつもより厚着をするのがおすすめです。

フランスでの卵子提供

フランスでは以前から生殖補助医療が行われていましたが、対象は異性カップルのみでした。そのため卵子提供を受けたいフランスの独身女性はベルギーやスペインへ足を運んで卵子提供を受ける形でしたが、2021年9月に「すべての女性」を対象とする法改正が行われ、異性カップルだけではなく、独身女性のほか女性の同性カップルも卵子提供を受けられるように。

また「出自を知る権利」も認められており、卵子提供によって生まれた子どもは卵子提供者の情報を得ることができます。ただし、提供を受ける側が卵子提供者を選択したり、卵子提供者が親を選ぶことはできません。

フランスはこんな国

東京より気温や湿度は低め。過ごしやすい気候

フランスは国土が広いため、地域によって気候に差があります。たとえばパリの気候は東京の四季の移り変わりと似ており、4月ごろには春が訪れ、夏・秋・冬…と気候も変化します。ただし東京よりも平均気温は5℃ほど低いでしょう。また、梅雨がなく夏でも湿度は低めですが、冬には曇りがちの日が増えます。一方、南部では温暖な地域が多いようです。

世界でも美食の国として有名

美食の国として世界中で有名なフランス。フランス料理は世界三大料理のひとつといわれていますから、食事を楽しみにフランスへ足を運ぶ人も多いでしょう。また、新鮮な野菜や果物、肉や魚が並ぶ市場も有名。カフェやレストラン、ビストロなども充実しています。

魅力的な芸術文化をもつ国

フランスにあるルーブル美術館には、世界中から多くの観光客が足を運んでいます。ルーブル美術館はルイ14世が住んでいた宮殿であり、数十万点もの美術品が所蔵されています。そのほかに、駅舎が美術館となったオルセー美術館などもあります。

多くの建築様式も有名で、ロマネスク様式やゴシック様式、ルネサンス様式、バロック様式なども芸術的。美しい建築物を見学するのもフランスの楽しみ方のひとつです。

イタリアでの卵子提供

イタリアでも生殖補助医療が行えます。

これまで生殖医療にはやや否定的であり、保守的な態度をとっていたイタリア。2004年には生殖医療を厳しく制限する法律が制定され、卵子の提供は禁じられていました。しかし反対運動が起こったり、憲法裁判所による違憲判決が下される条項がでるなどの結果に。

とくに憲法裁判所の司法判断において、卵子提供の禁止は「家族をもつ権利に違反している」とされ注目を集めました。それをきっかけに、イタリアでの卵子提供禁止が解除されたとのことです。

イタリアはこんな国

温暖で雨の少ない地中海性気候

イタリアの気候は温暖で過ごしやすいのが特徴。細長い国土のため地域によって気候に差がありますが、日本と同じような服装で問題ありません。また、年間を通して気候が穏やかなため、1年中旅行シーズンといえます。特に夏は日差しが強いものの湿度は低めのため、観光客が多く訪れます。

パスタやピザが美味しい

イタリア食といえばパスタ。スーパーには100種類以上のパスタが並ぶといわれており、日本では味わえないレシピも多くあるそう。また、生ハムやピザ、ティラミスやジェラートなどのドルチェも人気です。
また、美味しいワインの国としても有名。イタリアに足を運んだ際には、リストランテやトラットリア、バールなどで食事を楽しみましょう。

世界遺産が多い

世界遺産の多い国としても知られているイタリア。「屋根のない美術館」と称されるほど美しい街フィレンツェの歴史地区や、マテーラの洞窟住居、ピサのドゥオモ広場など、普遍的な価値をもつ遺産がたくさんあります。

はじめての卵子提供ガイド

40歳以上、早期閉経、ターナー症候群など、排卵の不順が原因で悩む方のための新しい不妊治療「卵子提供」。今や年間300人以上の赤ちゃんが、卵子提供によって誕生しています。そんな卵子提供について、日本が置かれている現状や、海外で移植を受けるために知っておくべきこと、また提供を受けた方、ドナーとなった方それぞれの体験談をリサーチした結果を掲載。卵子提供を望むご夫婦の強い味方となってくれる、国内のエージェントの一覧も掲載しておりますので、参考にしていただければ幸いです。

卵子提供エージェント比較一覧はこちら

サイトマップ