公開日: |更新日:
日本で卵子提供は出来るの?
国内での卵子提供は「原則として」認められていない?
国内での卵子提供に関する法律は整備されていない
卵子提供による体外受精は、現在、日本産科婦人科学会によって制限されている状況です。この制限には法的効力はありませんが、通常国内で体外受精を実施している施設は日本産科婦人科学会へ加入しており、学会規則にさまざまな面で縛りを受けています。
そのため、実質的には学会規則を順守する立場であることから、国内施設で卵子提供治療は行われていないのが実情です。
ごく一部のクリニックで実施しているがハードルが高い
日本国内においては、ごく一部のクリニックで、独自の倫理基準等を設けたうえで、非常に少数の夫婦に対して実施しているとはされています。しかし、実際の治療までの間に、倫理審査を数年がかりでおこなうなど、基準をクリアするためのハードルが非常に高く、子どもを望むすべての夫婦の希望が通るとは言い難いです。
また、ドナーを手配する際の謝礼については、日本産科婦人科学会による規制が厳しいため、実際には卵子提供を受ける方の親族や親しい友人、無償で引き受けてくれるボランティアに依頼するしかない状況です。以上のことから、国内での卵子提供治療は現実的にはほぼ不可能だと考えられます。
参照元:「佐久平エンゼルクリニック(卵子提供治療を検討されている患者様へ)」https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/contents/infertility/4428/
そもそも卵子提供を受ける条件は?
卵子提供を受けるための条件は、以下のようになっています。
- 早発性卵巣機能不全などによって、卵子が存在しない
- 婦間の体内受精を6回以上試みたのもかかわらず妊娠・出産に至らず、なおかつその原因が卵子にあることが明らかで、医師によって妊娠・出産の確率が極めて低いと判断された
- 遺伝性疾患を持っており、本人が着床・出生前検査および妊娠中絶を望んでいない
なお注意してほしいのは、加齢によって妊娠できないケースは卵子提供の対象とならないという点です。
日本で卵子提供を受けるには?
日本国内で卵子提供を受けるには、どのような方法があるのでしょうか?以下にまとめてみました
JISARTで卵子提供を受ける
JISARTとは「日本生殖補助医療標準化機関」のことで、不妊治療を専門とするクリニックが運営する団体です。
JISARTの卵子提供ガイドラインの適用対象であると判断されれば、卵子提供実施施設とされているクリニックや病院で治療を受けることができます。卵子提供ガイドラインの内容は前述のとおりです。
年令によっては卵子提供を受けることができない場合がありますが、この年令のボーダーははっきりとは決まっておらず、医師の判断に任せられています。一般的には、妻の年齢が50歳代より高齢の場合は卵子提供を受けられないというケースが多いようです。
また、提供側にも40歳未満でひとり以上の子供がいる夫婦という条件があります。
OD-NETで卵子提供を受ける
もうひとつの専門団体であるOD-NETは「卵子提供登録支援団体」のことで、ここにレシピエント登録をして、適合するドナーが見つかれば治療を受けることができます。
OD-NETは、不妊専門クリニックにて提供された卵子による体外受精を支援するNPO法人です。レシピエント登録については、以下の条件を満たしていれば登録可能です。
- 卵子がないと診断された女性
- 女性の年齢は申請時40歳未満とする
- 卵子がないと診断された女性
登録されているドナーの中から適合するものが見つかった場合には、説明・カウンセリングを経て施設内倫理委員会を行い、承認されれば治療を行います。
海外との比較
法整備の違い
欧米やそのほか海外においては、すでに許可されている「第三者からの卵子提供による体外受精」は、日本では認可されていません。しかし、日本で卵子提供を受けた後の出産がおよそ100人、海外で卵子提供を受けた後に出産した方がおよそ3,000人と推定されている状況です。
このような現状を踏まえたうえで、日本の伝統・文化も考慮しながら、法整備に注力していく必要があると考えられます。
参照元:「卵子提供エンジェルバンク(日本と世界の違い)」https://angelbk.org/menu/1015240
施設の違い
北欧諸国の1つであるノルウェーには、不妊治療に対応しているクリニックがさまざまあると言われており、卵子提供が必要な方が訪れている国でもあります。また、スペインには、1年におよそ14,000人におよぶ女性が海外から不妊治療を受けに訪問しています。
そのうちの7割が卵子提供による体外受精を受けている様子です。また、スペインへ不妊治療を受けに訪れる多くの患者は、母国で治療成功に至らなかった比較的高齢な女性と言われています。中には50歳以上の女性も多数おり、日本人も例外ではないとされています。
以上のことから、日本国内が難しい場合は、海外で治療を受けるのも1つの方法だと言えるでしょう。
参照元:「卵子提供エンジェルバンク(日本と世界の違い)」https://angelbk.org/menu/c1197757
渡航不要の卵子提供サービスも
渡航不要の卵子提供サービスを利用するのも1つの手段です。エージェントの協力を得れば、渡航不要で卵子提供を受けられるサービスもあります。このようなサービスを利用すると、仕事や日程的に海外渡航そのものが困難な方にとって、非常に負担の少ない治療手段と言えるでしょう。
卵子提供は海外でするべき
れまで述べてきたように、国内で卵子提供を受けるのは不可能ではないものの、そのハードルは非常に高い状態となっています。そこでおすすめなのが、海外で卵子提供専門エージェントを通した卵子提供です。
海外では不妊治療の一環として卵子提供を行っている国も多くあり、卵子提供を受けるために海外へ行く人も少なくありません。
海外では卵子提供のハードルが日本に比べて非常に低いという利点があり、胎児を育てられる健康な子宮と受精が可能な精子があれば提供を受けられるくらいハードルが低いのです。
また、ドナーについても日本人ドナーからの提供を受けることも可能なので、卵子提供を受けて出産に至った人の多くは海外で卵子提供を受けていると考えていいでしょう。
海外での卵子提供については、ドナー探しやその他のプランをすべて請け負ってくれる卵子提供エージェントがいますので、ぜひとも利用してみましょう。


